[UN]第30回会期障害者権利委員会開催

2024年3月4日-22日、第30回会期「障害者の権利に関する委員会(Committee on the Rights of Persons with Disabilities)」(障害者権利委員会)が開催されました。

障害者権利委員会は、「障害者の権利に関する条約(Convention on the Rights of Persons with Disabilities)」(略称:障害者権利条約)第34条に規定されており、18人の独立した専門家からなる組織です。通常、ジュネーブで、年に2回会合が開かれます。

同委員会は、障害者権利条約の実施状況について締約国が定期的に提出する報告書を検討し、その国における条約の実施を強化するための勧告を行います。

また、条約と同時に発効した選択議定書(A/RES/61/106)に基づき、個々の苦情を受け取り、また、重大かつ組織的な条約違反の信頼できる証拠がある場合に調査を行います。

さらに、委員会は、一般的意見という人権問題に関する解釈も公表します。

今回の委員会では、カザフスタンとザンビアの第1回定期報告書、バーレーンの第1回及び第2回定期報告書、アゼルバイジャン、コスタリカ、スウェーデンの第2回及び第3回定期報告書を検討し、それぞれの締約国と建設的対話を行いました。ニカラグアは代表団が出席しなかったため第1回、第2回および第3回の定期報告書の検討のみを行いました。そして、これらの報告書に関する総括所見を採択しました。

また、選択議定書に基づき4つの報告書が審査されました。そのうちの1つである「アル・ハワリ対サウジアラビア事件」では、障害者の強制失踪と隔離拘禁、合理的配慮の提供の欠如について条約違反が認められました。

次回委員会は、暫定的に2024年8月12日から9月6日までジュネーブで開催されることになりました。ただし、予算が確保できることが前提になっています。

また、2024年9月9日から13日まで会期前作業部会の第20回会合が予定されています。

その他、詳しくは下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://tbinternet.ohchr.org/_layouts/15/treatybodyexternal/SessionDetails1.aspx?SessionID=2687&Lang=en

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