[フランス]緩和ケア/支持療法のための10カ年戦略を発表

2024年4月22日、フランスの労働・雇用・保健省は、疼痛管理と終末期支援改善の緩和ケア及び支持療法に係る10カ年戦略を発表し、11億ユーロの対策費が認められました。フランス全土の病院、都市、医療社会関係者へ緩和ケアの概念を広げることを目的に、2034年までに下記の3つの変化を社会へもたらすとしております。

  1. 患者とその周囲の人々に対し、可能な限り生活の質と幸福を守り、診断後から学際的チームによる適切なケアに取り組む。
  2. 居住地やケアの有無に関わらず、身体的、心理的、社会的ニーズ(医学的または非医学的)に答え患者のサポートを強化する。
  3. 大学の緩和医療研修プログラムの創設と医師と介護者への支援を強化する。

この10カ年戦略では、治療と終末期支援に関する4つの主要目標に分けた30の対策を提言しています。

  • 戦略目標1:緩和ケア/支持療法への公平なアクセス
  • 戦略目標2:社会全体を動員する
  • 戦略目標3:人材育成と研究の発展
  • 戦略目標4:全てのステークホルダーと連携する

以下は、具体的な数値目標の一部となります。

  • 2034年までに緩和ケア病床を460床追加
  • 小児緩和ケア病棟のない地域でも複雑なケアを提供できる18病棟を新設
  • 2034年までにさらに50,000人が自宅での入院診療を受けることができる
  • 274の既存する慢性痛ケア施設に加え、小児専用施設が12カ所、腫瘍専門施設を15カ所新設する

人々の権利と意思表現を尊重し、すべての人が平等な条件下で自らの望むケアを受けることを後押しするフランスモデルの構想となります。

詳しくは下のサイトをご覧下さい。(笹子)
https://sante.gouv.fr/actualites/actualites-du-ministere/article/lancement-de-la-strategie-decennale-des-soins-d-accompagnement

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