[WHO]初の患者の安全権利憲章を制定

2024年4月18日、世界保健機関(World Health Organization: WHO)は、患者の安全に関する世界閣僚サミットで、患者の安全権利憲章を制定しました。安全の観点から患者の権利のあらましを示した初めての憲章であり、患者の安全を守るために必要な法律や政策制定、ガイドラインの策定において、あらゆる利害関係者を支援することが定められています。

年齢、性別、民族あるいは人種、言語、宗教、障害、社会経済的地位等に関係なく、全ての人が、国際的な人権基準によって確立された安全な医療体制を享受する権利を有しており、本憲章では、リスクを軽減し不慮の事故による危険から患者を守るための安全に関する10の権利を示しています。WHOのルディ・エッガース博士は、持続可能な開発目標を達成するためにも、患者の安全を確保することは世界的な優先事項であることを述べ、健康にまつわる人権を尊重し、その権利を履行するためにも、患者の安全は各国の取組みの指標となり得るとしています。

現在、10人に1人の患者が、何かしらの医療行為による危害を経験しており、その約50%は予防可能な危害であるとされています。例えば、投薬ミス、誤診や診断の遅れ、安全でない輸血や敗血症等の生命を脅かす医療関連感染症は、未然に防ぐことが可能と考えられます。こうした危険から患者を守るために、患者の安全権利憲章で定められた10の権利の概要が下記となります。

  1. 適宜効果的で適切なケアを受ける権利
  2. 安全なヘルスケアプロセスとその実践を享受する権利
  3. 資格を有する有能な医療従事者を確保する権利
  4. 安全な医療製品とその製品の安全且つ合理的な使用を受ける権利
  5. 安全安心な医療施設を有する権利
  6. 尊厳、敬意、差別排除、プライバシーと機密の保持を受ける権利
  7. 情報、教育と意思決定のサポートを受ける権利
  8. 医療記録へのアクセスの権利
  9. 患者の意見に耳を傾けることと公平な解決方法を享受する権利
  10. 患者と家族の親密な関与の権利

詳しくは下のサイトをご覧下さい。(笹子)
https://www.who.int/news/item/18-04-2024-who-launches-first-ever-patient-safety-rights-charter

menu