2024年9月17日、公共政策研究所(Institute for Public Policy Research: IPPR)の「健康と繁栄に関する委員会(Commission on Health and Prosperity)」は、「私たちの最大の財産:IPPRの健康と繁栄に関する委員会最終報告書(Our greatest asset: The final report of the IPPR Commission on Health and Prosperity)」を公表しました。
IPPRは、より公平で環境に優しくより豊かな社会を目指して活動する独立の慈善団体で、研究者、コミュニケーター、政策専門家等で構成されています。30年以上にわたり、社会が直面している危機に対する実用的かつ政策的な解決策を提示してきたとのことです。
IPPRの「健康と繁栄に関する委員会」は、健康と経済の専門家で構成されており、共同議長は、サリー・デイヴィス女史(元イングランド最高マーケティング責任者)とアラ・ダルジ卿(元保健大臣、現在NHSの独立調査を実施中)です。委員には、現役の政治家、歴代首相の政策顧問、一流の学者、ビジネスリーダー等がおり、政府に対して強い影響力をもっています。2022年に発足し、ほぼ3年にわたる議論、研究、定量分析、政策立案を行ってきました。
この報告書では、健康政策を病気モデルから健康創造モデルに移行した場合にのみ、よりよい健康が実現可能になると主張しています。
内容はつぎのようになっています。
パート 1: 健康と繁栄についての理解 英国で多い病気の実態など現状を分析 パート2:健康政策を再考する 病気のモデルの限界と代替案の提起 健康を損なう労働から健康を生み出す労働などを提起 パート3:健康と繁栄のための私たちの計画 1. 政府全体による健康創造のためのハードウェア 2. 労働の健全な未来 3. 健全な産業戦略 4. 幼少時の健康のための新たな取り組みの開始 5. 健康的な場所を作る 6. 積極的なヘルスケア: 公衆衛生と公共財政 結論: 今後の議会の使命 |
報告書では、障害者政策にも触れており、障害者が自分の利益を損なうことなく仕事に挑戦できるように、仕事をすることで障害手当が減額されることがないようにすべきだとしています。
詳しくは下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.ippr.org/articles/our-greatest-asset