[フランス]2024年オリンピック・パラリンピックの遺産
2025年1月8日、連帯・自立・障害者省は、2024年9月8日に閉幕したパリでのパラリンピックが、その後、国内の公共政策、障害に対する見方等にどのような影響を及ぼしているかを発表しました。
2024年のパリオリンピック・パラリンピック大会では、競技が開催される地域の関係者と連携し、持続可能で地域のニーズに即したハード整備が行われてきました。例えば、セーヌ=サン=ドニ県、サン=トゥアン県などの各自治体に設置された選手村は、エコ地区として、環境に配慮した新築住宅を約4,000戸提供できるエリアとなる予定です。住宅の整備に伴い、教育施設や緑地等新たな公共施設の整備も進むこととなっています。
交通インフラの整備においては、障害のある人にとっても快適な移動手段の提供のため、公共交通機関の改善、車椅子ユーザーが利用できるグリーンタクシー1,000台の流通が実現しました。また、障害のある人や運動機能の低下した人が競技会場へアクセスしやすいように、電車や飛行機の出口などにインフォグラフィックが作成されました。
また、多くのスポーツ施設で良好なアクセシビリティを実現するための改修が進み、あらゆる人がスポーツに親しむことのできる環境整備が進み、障害者を受け入れることのできる施設は全国に4,500箇所以上となりました。
スポーツの祭典の閉幕後の社会的変化はハード面だけではなく、ソフト面や人々の意識にも及んでいます。
「誰もがスポーツを楽しめる国へ」という大統領による主要課題が2024年に提起されて以降、フランス全土の学校で若者の健康的な発達のためのスポーツプログラムが実践されています。スポーツの実践が国民の健康と幸福に大きく寄与しているとし、例えば、小学生が定期的にスポーツの参加できるための無料の身体活動プログラム(30分/日)、5歳から30歳までのスポーツの練習を支援するスポーツパスポートが提供されています。他にも、肥満のリスクのある3歳から12歳を支援する「Find your way」システムを実証実験の段階から引き上げる試みもなされています。
また、オリンピック・パラリンピックは、スポーツの社会的、職業的地位にも貢献しており、国内の一部地域では社会スポーツ教育者の新たな雇用を1,000件うみだすことができたとしています。
パラリンピック以前はあまり脚光を浴びてこなかった競技にも注目が集まり、国内の調査では障害のある人の41%が「もっとスポーツに取り組みたい」という意識を持っていることが明らかとなりました。加えて、フランス世論研究所(ifop)の調査では、健常なフランス国民の85%及び障害のある国民の83%が、「フランスにおける障害に対する考え方が変わった」とアンケートに答えているとし、フランス国内の障害に対する人々の見方・考え方が変化していることを示しています。
詳しくは下のサイトをご覧下さい。(笹子)
https://solidarites.gouv.fr/heritage-des-jop2024-vers-une-societe-sociale-et-inclusive