[文科省]「デジタル教科書推進ワーキンググループ」中間まとめを公表

令和7(2025)年2月14日、文部科学省は、「デジタル教科書推進ワーキンググループ」の中間まとめを公表しました。

同グループは、次期学習指導要領の検討やGIGAスクール構想第2期を見据えつつ、デジタル教科書の効果・影響を検証し、デジタル教科書の在り方と推進方策について検討する場として、「中央教育審議会初等中等教育分科会デジタル学習基盤特別委員会」の下に令和6年7月に設置されました。令和6年9月4日から令和7年2月14日まで6回の会議が開催されました。

同まとめの「今後のデジタル教科書の在り方」の概要は下のようになっています。

1.デジタル教科書の制度的な位置付けについて
基本的方向性
 新たな学びの実現には教育現場の創意工夫を最大限生み出す環境が重要。社会の急速な変化や様々な教育ニーズに対して関係者の納得と共感を得ながら適時・適切に対応できる柔軟な制度設計が適当

制度的位置付け
➢ 制度化前は教科書として使用できず、効果・影響等の実証研究が困難、学校のICT環境も様々 ⇒ 教科書代替教材としてスタート
 ⇓ 
➢ 制度化から6年、社会の情報化、学校ICT環境の飛躍的進展、実際にデジタル教科書が使用され、効果・影響等の知見が蓄積
 ⇓ 
➢ 効果を実感した学校関係者から、「教材」ではなく無償給与の対象となる「教科書」として位置付けるべきとの意見や、紙の教科書と同一内容という要件がデジタルならではの可能性を狭めているとの意見
 ⇓ 
➢ 教科書の形態として紙だけでなくデジタルも認められることを制度上明確化(デジタルでも検定・採択・無償給与等の対象に)
※活用状況や紙とデジタル双方の良さ、学校・学年段階や教科の違い等を踏まえ、全国一律の対応ではなく様々な選択肢を用意

紙とデジタルの良さを取り入れた学習環境
➢ 教育課程・授業全体として、紙・デジタル・リアルを適切に組み合わせてデザインすることが重要
➢ 紙かデジタルかといった「二項対立」の陥穽に陥ることなく、どちらの良さも考慮し、教育の質の向上のため、学校や児童生徒の実態等に応じて適切に取り入れ、生かしていくという考え方に立つべき
➢ 一部が紙、一部がデジタルで作られたハイブリッドな形態の教科書も認める

教科書の範囲・内容・構成等
➢ 検定を経ることを前提に学習指導要領に基づく必須の内容が活字や図表等により系統的・組織的に記載されたものが該当
➢ 教科書の内容・分量が大幅に増加し、教科書を網羅的に教えなくてはならないという根強い考えもあり、現場に負担感⇒意識の改革に向けた取組とあわせて、次期学習指導要領の検討を踏まえつつ、教科書の内容や分量を精選することが望ましい
➢ 現在のQRコード先のコンテンツは、教科書としてデジタル媒体が可能となった場合、学習指導要領における指導事項が系統的・組織的に記載される教科書の一部として認められるもののみは教科書として位置付けられる

対象学校種・教科
➢ 制度改正の趣旨が、児童生徒の学びの充実を図る観点からデジタルの良さを教科書に取り入れることを可能にするという、教育全体に通じるものであること、技術革新や社会状況の変化を踏まえて柔軟に対応する必要性に鑑みて対応することが必要
➢ 学習指導要領の議論を踏まえつつ、教科特性や児童生徒の発達段階、学校の実態に応じた検討が重要

導入時期
 遅くとも次期学習指導要領の実施に合わせて導入
関係者の理解
 デジタル活用を自己目的化せず、児童生徒の学びの充実が最重要目的であるという趣旨の十分な理解を図る

2.今後の推進方策について
➢ 従来の方向性を維持し、現行の課題を改善しつつ、制度改正を見据えた取組が必要
➢ 制度改正により新たな教科書が配布されるまでの当面の間、現行の紙とデジタルの併用を継続する
➢ 英語、算数・数学の導入以降は、他の教科も含め、現場のニーズや活用状況、導入の影響等を勘案して更なる推進方策を検討

3.更に検討を進める事項について
➢ 「当面の間」の推進方策(各主体が選択できるようにするための環境整備)
・ 段階的な導入の在り方
・ 効果的な活用方法の発信
・ 教員の指導力向上
・ アカウント管理等の負担軽減
・ 健康影響への対応
・ 通信環境の改善
➢ 検定の在り方
・ 検定の対象範囲と機能の扱い
・ 検定の方法(教科用図書検定調査審議会での検討)
➢ 採択の在り方
➢ 発行・供給の在り方
➢ 著作権の権利制限との関係
➢ 教科用特定図書等との関係

詳しくは下のサイトをご覧ください。
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/100/index.html