障害分野NGO連絡会(JANNET)について
障害分野NGO連絡会(JANNET) 事務局長 村上 博行
障害分野NGO連絡会(JANNET)(以下:JANNET ※注記)について、ご紹介いたします。
設立の経緯
JANNETは、1993年に設立されました。国連・障害者の十年(1983年~1992年)の最終年に、国民会議(1992年)の分科会(国際協力 20団体参加)の活動報告を行った結果、共通の課題が明らかになりました。「情報・資金・人材の不足である。」ということでした。
恒常的なネットワークが必要だと考え、1年間の準備期間を経て、1993年12月に「障害分野NGO連絡会」が設立されました。呼びかけ人は、当時、日本障害者雇用促進協会(現・高齢・障害・求職者雇用支援機構)の松井亮輔氏(JANNET前会長・日本障害者リハビリテーション協会 前副会長)と、当時アジア保健研修所の事務局長であった池住義憲氏でした。事務局は、日本障害者リハビリテーション協会に設置(~現在)しました。
概要
JANNETは、アジア太平洋およびその他の地域において、「障害分野」の「国際協力」を行っている「民間」のCSOやNGOなどの「市民社会組織のネットワーク」です。JANNETのキーワードは「障害」・「国際活動」・「民間」です。
「障害者を取り残さない」という理念をもって、「アジア太平洋地域」を中心に、障害分野の民間の国際協力・交流を推進するため、関係団体の情報交換および協力・連携の強化、推進等を図っております。また、海外の関連国際団体等との情報交換および交流の推進を図ることを目的として設立いたしました。
会員
会員数(2025年2月現在)は、正会員団体が23団体、企業・団体などの賛助会員が1団体、個人会員は16名、学生会員が2名、名誉会員が2名です。
(以下、会員団体一覧)
- (公財)アジア保健研修所(AHI)
- きょうされん
- (社福)全国盲ろう者協会(JDBA)
- (一財)全日本ろうあ連盟(JFD)
- (社福)東京へレン・ケラー協会(THKA)
- (認定NPO)難民を助ける会(AAR JAPAN)
- (一社)日本義肢協会
- (社福)日本キリスト教奉仕団(JCWS)
- (一社)日本作業療法士協会(JAOT)
- (公財)日本障害者リハビリテーション協会(JSRPD)
- (社福)日本点字図書館
- (公社)日本発達障害連盟(JLDD)
- (認定NPO)日本ポーテージ協会(JPA)
- (社福)日本視覚障害者団体連合(JFB)
- (社福)日本視覚障害者職能開発センター
- (社福)日本ライトハウス
- (公社)日本理学療法士協会(JPTA)
- (NPO)ヒーリングファミリー財団
- ベトナムの子ども達を支援する会(SVCA)
- 南太平洋医療隊(SPMT)
- (NPO)ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)
- (一社)全国手をつなぐ育成会連合会
- 野毛坂グローカル
- (公財)ダスキン愛の輪基金 (賛助会員)
会員団体の特徴です。
- 障害当事者団体や支援団体、専門職団体等の「障害関係団体」
- 国際保健から障害に関わる団体
- 国際協力全般から障害への関心を持つ団体
- 難民支援、災害緊急支援に障害事業も含める団体
- 委託や独自事業などで国際研修を行っている機関
- 障害プロジェクトの実施団体
などです。
活動
主な活動をご紹介いたします。
- 情報提供:メールマガジン(毎月)・ニュースレターも発行。他、報告書の作成。
- 研究会・研修会の開催:講師等、後述
- 他団体との協力:
- 年に一度の日本最大級の国際協力イベントである「グローバルフェスタ」(外務省主催)に、設立間もないころから参加。2024年新宿も参加。
- 「一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク(SDGsジャパン)」の参加。「みんなのSDGs」企画・運営から参加
- その他、国際協力NGOセンター(通称:JANIC ジャニック)の正会員として、外務省との意見交換や、企業とNGOの連携、国連防災世界会議に関するNGOネットワークなどに参加。
- 2006年から2013年には、世界銀行東京や日本財団と共に、全39回の開催となった 世界銀行コーヒーアワー「障害と開発」シリーズの企画・開催に協力。
- 2015年にはホスト国として「第三回アジア太平洋CBR会議」を、CBRアジア太平洋ネットワーク、日本障害者リハビリテーション協会とともに東京で共催。
(CBR:Community Based Rehabilitation の略。)
研究会・研修会
JANNETでは設立当初から、様々な研究会の開催を行ってまいりました。主な研究会をピックアップします。これまで、日本国内だけでなく、バングラデシュやインドなどでも研修会を行い、研究会と合わせると、共催なども含めて100回以上の開催となります。
- 1994-2004 JANNET会員が発表者となり、それぞれのアジアでの活動を紹介し合う相互学習。
- 2005-2008 個人会員の寄付があり、2005年にバングラデシュからナズムル・バリさんを講師に招聘したことをきっかけにバングラデシュのCBRと開発に関する研究会が続く。(2005、2006、2007、2008)
- 2008-2009 『CBR』(マルコム・ピート著)を会員有志で翻訳し発行(監修 故 田口順子氏)、それを基にCBRと開発の勉強会を7回開催。(報告者は会員)
- 2011~ CBRガイドライン(2010)発表後は同ガイドラインの翻訳ボランティアに会員も活躍。同ガイドラインの勉強会開催。日本の地域福祉とCBRの接点作り。 (社会福祉法人むそう、NPO法人起業支援ネット、松本大学、一般社団法人草の根ささえあいプロジェクト)後に日本国内事例集作成(2014)における会員の貢献につながる。
- 2013-2014 海外講師によるアジアの実践紹介を再開。
- 2015 第三回アジア太平洋CBR会議開催(東京)。CBRからCBIDへ。(CBID:Community-Based Inclusive Developmentの略。)
- 2016~ アジア太平洋地域の活動事例紹介など、CBIDやSDGsを踏まえた「誰も取り残さない」活動を、様々な視点から考える研究会を開催。コロナ禍もオンラインで発信した。
- 2023 JANNET設立30周年記念大会を開催。
研究会に講師としてご登壇いただいた、海外の講師の方々をご紹介いたします。
海外の方で講師としてご登壇いただいた方は、主にCBRで国際的に著名な方々です。
マヤ・トーマス博士

ノーマン・カーン博士

ナズムル・バリさん

(以下、講師氏名・出身国・招聘年)
- マヤ・トーマス、インド(2003・2014)
- パドマニ・メンディス、スリランカ
- ディビッド・ワーナー、アメリカ(1998、5周年記念イベント)
- マルコム・ピート、ローナ・ジーン、カナダ(2003)
- ナズムル・バリ、バングラデシュ(2005・2013)
- ベンジャミン・ゴバン、フィリピン(2005)
- アブディン・カーン、バングラデシュ(2007)
- マーガレット・オレク、ウガンダ(2007)
- ノーマン・カーン、バングラデシュ(2007)
- ステファン、インド(2007)
- ナワン・タカリニ、インドネシア(2010)
- アルビナ・シャンカー、インド(2013、20周年記念イベント)
- 2015、第三回アジア太平洋CBR会議(JANNET共催にて多数招聘)
JANNET設立30周年記念大会
JANNET設立30周年記念大会(2023年12月2日開催)では、基調講演に山形辰史先生(立命館アジア太平洋大学教授)をお招きしました。レセプションには、記念講演のご登壇者、参加者の他、スタッフの子どもたち、また「ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業」の研修生も参加しました。
JANNET設立30周年記念大会 参加者(集合写真)

今後
中期計画(2021年策定)では、「障害がある人も誰も取り残さないインクルーシブ社会の実現に寄与する」ことを理念に掲げました。「2025年までに、日本の民間団体による障害分野の国際協力を一層推進させる」ことを目標に活動を推し進めてまいりました。
今後は、会員団体との連携を更に強化し、事務局を務める日本障害者リハビリテーション協会とも各種事業を共催しながら、会員同士相互の能力向上や活動の活性化を図っていきたいと考えております。
注記)JANNET ※ :障害分野NGO連絡会(英訳:Japan NGO Network on Disabilities)の略より