[米国]退職者はADAに基く訴訟を起こすことはできないという最高裁判決

カリン・スタンリーさんは、20年近く消防士としてサンフォード市で勤務していましたが、パーキンソン病により2018年に早期退職しました。彼女が退職後、2003年にサンフォード市が福利厚生制度を変更してしていたことを知りました。2003年以前は、勤続25年以上の退職者と障害による退職者は65歳になるまで健康保険サービスを継続して受け取れていましたが、2003年以降は、障害のある退職者はメディケアの受給資格を得られるまでの2年間しか補償されないこととなりました。

そこで、彼女は、この変更は障害を理由に退職した人々に損害を与えたと主張して、「障害のあるアメリカ人法(ADA)」に基づき、損害賠償を求めてサンフォード市を訴えました。

これに対して連邦地方裁判所と連邦第11巡回区控訴裁判所は、スタンリーさんはすでに退職していることから、ADAの定める「資格のある個人(qualified individual)」に該当しないとして訴えを退けました。

スタンリーさんは上告し今回の最高裁判決(STANLEY v. CITY OF SANFORD, FLORIDA, No. 23–997. Argued January 13, 2025—Decided June 20, 2025)に至ったわけです。

争点となったのは、障害のある退職者はADAにより保護されるのかという点です。

ニール・ゴーサッチ判事は、ADAの保護は現在の従業員または積極的に仕事を探している従業員にのみ及ぶとし、障害のある退職者は「資格のある個人」の定義を満たしていないとしました。

詳しくは下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.supremecourt.gov/opinions/24pdf/23-997_6579.pdf