[英国]下院が「ユニバーサル・クレジット法案」を可決

2025年7月1日、英下院は、「ユニバーサル・クレジット法案(Universal Credit Bill)」を可決しました。

以前にも紹介しました(2025年3月号No84)ように、スターマー労働党政権は社会福祉制度改革を進めようとしており、その一環として、2025年6月18日に福祉手当の支給額を減らすための法案を提出していました。その法案の主なターゲットは、低所得者向け手当「ユニバーサル・クレジット(Universal Credit)」と障害者向け手当「個別自立給付(Personal Independence Payment: PIP)」だったため、当初は「ユニバーサル・クレジットと個別自立給付法案(Universal Credit and Personal Independence Payment Bill)」と称していました。

障害者関連の給付の歳出は、現状の年間650億ポンドから2030年には1,000億ポンドを超えると見込まれており、アセスメント方法の変更などにより受給資格を厳しくする等してその削減を目指していました。

しかし、この法案が人々を貧困に追い込むのではないかとの懸念が高まり、障害者団体などからの反対が多く、労働党の議員さえもこの法案に反対する事態に陥り、政府はさまざまな修正を余儀なくされました。

政府は、法案可決のために、新ルールの適用は新規申請者のみに限るというような修正を行ってきましたが、あまり成功せず、ついに、最大のターゲットであったPIP改革について、2026年秋以降に改めて議論することとし、PIPに関する条項を法案から切り離してしまいました。その結果、2025年7月9日に「ユニバーサル・クレジット法案(Universal Credit Bill)」に名称を変更しました。

このような政府の歩み寄りによって、法案は賛成335、反対260で可決されましたが、49人の労働党議員は反対票を投じました。

詳しくは下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://commonslibrary.parliament.uk/research-briefings/cbp-10302/