就労選択支援実施に向けた大阪市の取り組み

「新ノーマライゼーション」2025年9月号

大阪市福祉局障がい者施策部

はじめに

障がい者本人が就労先・働き方についてより良い選択ができるよう、就労アセスメントの手法を活用して、本人の希望、就労能力や適性等にあった選択を支援することを目的として、新たな就労系障がい福祉サービスである「就労選択支援」が本年10月から創設されます。

就労選択支援について、短期間の生産活動等の機会の提供を通じて、就労に関する適性、知識及び能力の評価や就労に関する意向、就労するために必要な配慮事項などについて整理を行い、アセスメント結果を踏まえ、障がい者本人や関係者を交えた多機関連携によるケース会議を行い、障がい者本人の就労に関する意思決定支援を行うことが基本方針とされています。

就労選択支援は、働きたい意欲のある障がい者の今後の就労や働き方に密接にかかわる支援であって専門的・中立的な役割が期待されており、大阪市としても障がい者に対する適切なサービス利用及び支援につながるよう、円滑な事業実施に取り組むこととしました。

大阪市の取り組み

大阪市では、高齢化の進展や障がい者の就労支援の促進などを背景に障がい福祉サービス等に係る給付費が年々伸びる中、持続可能性の観点から、障がい福祉サービスの質の確保・向上が課題であり、本年3月に「障がい福祉サービス等に係る質の確保・向上に関する検討チーム」を立ち上げ、給付費の適正化に向けた取組の検討を進めることとし、給付費の中でも特に就労継続支援の伸びが顕著であり、本年10月から開始する就労選択支援において、適正化に向けた方策の1つとして優先的に取組を進めるべく、就労選択支援の事業所指定のあり方検討に着手しました。

本年3月に厚生労働省から示された「就労選択支援の実施について」(実施通知)では、就労選択支援事業所を指定するに当たっては、申請様式の不備のみならず、地域において就労選択支援に期待される役割を果たせるかについて、就労選択支援事業を実施する目的や理念、アセスメント環境や地域との連携体制の構築ができているかなどの観点で確認することが望ましいとされています。また、就労選択支援事業所の指定時に地域との連携体制の構築や第三者からの適切な評価を確認する際、指定権者が必要と認める場合には、就労選択支援を行おうとする者は、事業指定の申請に当たり、協議会や市区町村に対し、運営方針や活動内容等を説明し、当該協議会等による評価を受け、その内容を都道府県知事に提出することが国の技術的助言として示されています。

今般の国の技術的助言を踏まえつつ、大阪市では、就労選択支援の事業趣旨等を勘案し、事業者指定(入口)の段階から、サービスの質が確保されるよう、従来の基準省令に基づく書類審査等に加え、事業者との事前面談において、本市職員が支援方針等を聴取し、新たに外部有識者で構成された評価会議を開催し、事業者の活動内容などに対し専門的な知見からの意見聴取を行ったうえで、事業者を指定する仕組みを導入することとしました。

また、サービスを利用される方の支給決定については、計画相談支援を利用せず、自ら作成したサービス等利用計画案(セルフプラン)を提出することも可能ですが、計画相談支援事業者との連携は非常に重要であるため、サービスの支給申請の際には、窓口で積極的な利用勧奨を行うこととしています。

引き続き、障がいのある人が身近な地域で安心して、必要な支援が受けられるよう、障がい福祉サービス等の支援の質の確保・向上を図ってまいります。