快適生活・暮らしのヒント-音声認識を第二の補聴器に!?
「新ノーマライゼーション」2025年9月号
小川光彦(おがわみつひこ)
東京都中野区在住
聴こえないときに補う支援機器は、従来は残った聴力を活用する補聴器等しかありませんでしたが、ここ10年くらいで個人でも使えるようになってきた音声認識技術は、見て補うことを可能にしています。「声が読めるようになればいいのに…」という当事者の切実な悲願が現実のものになっています。
聴こえなくても「読める」! 音声認識アプリ
代表的なものが、スマートフォンで使えるアプリです。筆者も使っていますが、特に長時間の会議、講演等で認識し続けてくれるのが気にいっています。個人は無料でスマホにダウンロードして利用できるアプリ(※1)が数種類あります。利用規約に従ってご活用ください。
この音声認識、近年発達してきた新しい方法なので、まだ使い慣れていない人が多いようです。聞こえにくい当事者はもとより、特にサポートする立場の方にお使いいただきたいです。
話しかけるときにスマホを口元にもって、相手に口の動きも音声認識結果もよく見えるように話すと、比較的わかりやすいです(写真1参照)。
※掲載者注:写真の著作権等の関係で写真1はウェブには掲載しておりません。
音声認識には変換ミスがつきものです。周囲の騒音や発音、電波の影響を受けることがあります。相手の理解や表示内容を確認しながら使いましょう。変換ミスがあれば、該当部分を繰り返し発音し、正確に表示されなければ筆談で補いましょう。
聴こえなくても「ヨメテル」で電話ができる!
聴覚に障害のある方や人生の途中で聞こえにくくなった方の中には、声で話すことができる方も大勢います。でも相手の声が聞こえにくいのです。重度の聴覚障害の筆者も、電話はできないものと思って育ちました。
いまはスマホのアプリ「ヨメテル」が使えます。法律に基づいた公共インフラとして2025年1月から提供されています。音声認識と文字入力オペレータ、いずれかの方法を選べます。
使い方は、事前にサービスを提供している「日本財団電話リレーサービス」と契約し、「050」から始まる専用番号をもらいます。あとはスマホのアプリから電話をかけるだけです。自分の話した声がそのまま相手に伝わります。相手の返事は声と文字、両方で届きます。文字で書くとややこしく感じるのですが、百聞は一見にしかず。詳細は公式サイトをご覧ください(※2)。
24時間365日、いつでも使えます。利用料金は月末に請求されます。通話相手側は特別な準備は必要ありません。聞こえない方の050番号の着信があれば、文字で読めるのです。
筆者は「ヨメテル」を使って、中途失聴者と普通に電話で話せました。感激して30分も長電話してしまいました。いままで聞こえない同士で声で電話できるシステムはありませんでした。ホンモノの電話はこうでなくては!?
※1 主要な音声認識アプリのダウンロードサイト
YY文字起こし https://yysystem.com/product/yytranscription
UDトーク https://udtalk.jp/download/
※2 相手の声が読める電話「ヨメテル」公式ウェブサイト
https://www.yometel.jp/