地域発~人をつなぐ地域をつなぐ-地域の中で自分らしく働き、関わりを通して地域の担い手に~カラコネオフィスの活動
「新ノーマライゼーション」2025年11月号
就労継続支援B型事業所カラコネオフィス
小嶋康之(こじまやすゆき)
NPO法人カラフル・コネクターズは、「人・もの・街をつなげよう!多様性を認め合える寛容な社会を目指して」という理念のもと、東京都墨田区のお風呂屋さんを舞台に、「働くことにハンディキャップのある方を地域の担い手に」をテーマに、2015年に就労継続支援B型事業所カラコネオフィスの運営を開始しました。障害のある人が地域の中で自分らしく働き、関わり合いながら、福祉の枠にとらわれない、新しい働くかたちをつくることを大切にしています。
その始まりは、墨田区にある銭湯「御谷湯」の建て替え計画にさかのぼります。御谷湯のご主人の「御谷湯を高齢者や障害者にとって使いやすく、地域との交流が図れる地域の憩いの場にしたい」という思いと前代表の「働くことにハンディキャップのある方を地域の担い手に」という思いが重なり、福祉と銭湯のコラボという新しい施設づくりがはじまりました。その理念を引き継ぎ、地域に根ざした多様な活動を続けています。
現在カラコネオフィスでは、銭湯御谷湯の清掃の他に、銭湯薬師湯の清掃、居酒屋開店前清掃、賃貸マンション清掃、他法人の福祉施設の清掃などを行っています。また、町内会館の清掃や食糧支援のボランティア、施浴(入浴介助)ボランティア、地域のゴミ拾い清掃ボランティアなど、地域での活動にも力を入れています。
2022年からは墨田区多門寺というお寺にある交流農園を借り、そこで野菜などの栽培を行い、現在その農園の整備作業(雑草取り、土の再生作業など)を依頼され、また、その農園を運営しているNPO法人が力を入れている「江戸東京野菜寺島なす復活プロジェクト」に参画し、カラコネのある町会にいくつかプランターを置いて育てるなど、なすを通して他のNPO法人や地域との交流も行っています。
その他には、御谷湯のお客さんを出迎える「お出迎え作業」、アートの講師を呼びみんなでアート作品を作る「アートプログラム」、他の福祉施設と交流し行うフットサルなどの「スポーツプログラム」を行い、清掃作業だけでなくさまざまな活動を通し、地域交流、他法人との交流など人とのつながりを大切にしています。
このように、銭湯清掃での水を使った作業、畑整備での土とたわむれる作業、クラフトコーラや自主製品の製造販売などの業務、食糧支援や入浴介助のボランティア活動など、工賃を得る作業、得ない作業、季節の変化を感じる作業をしながら、人と交流し、「誰かの役に立てる」という実感が生まれ、働くことへの意欲や自信につながっていくようなきっかけづくりを続けていきたいと思っています。
そのような活動の中、就労支援にも力を入れ、カラコネが始まってから10年で30名以上の方が一般就労に結びつきました。
これからも法人の理念のもと、「誰かの役に立てる」場を増やし、少しずつ自信を取り戻し、次のステップへ進めるような環境を整えることができればと思っています。そのために、町会や地域企業と連携し、新しい作業や地域との交流ができるような場の開拓にも積極的に取り組んでいきたいと思っています。
これまでカラコネを利用した方は10年で100名以上います。いろいろな方が利用してきました。精神障害、知的障害、身体障害、高次脳機能障害、若年性認知症、アディクションなど。今後も障害種別、年齢、性別にかかわらずカラコネを誰でも利用できる仕組みづくりをし、地域や他法人、人とのつながりを広げ、地域サービスを支える主体的な担い手として活躍できる場を創出し、「ひと・もの・街をつなげられる」居場所を目指していきたいと思っています。