[国交省]「車椅子使用者用駐車施設等のあり方に関する検討の方向性(中間整理)」を公表

リハ協ブログ2022年3月28日より転載

令和4(2022)年3月25日、国土交通省は、「車椅子使用者用駐車施設等のあり方に関する検討の方向性(中間整理)」を公表しました。

国土交通省は、車椅子使用者用駐車施設等の適正利用等に関し、今後の取組方針等を検討するため、令和3年度8月25日から「車椅子使用者用駐車施設等のあり方に関する検討会」を3回にわたり開催してきました。

今回の中間整理はその議論の結果をとりまとめたものです。

中間整理の項目は、次のとおりです。

1.車椅子使用者用駐車施設等の利用ニーズへの対応

  • 屋根の設置や経路の安全性、福祉車両等に対応した駐車区画後方の安全な乗降スペースの確保等の課題。
  • また、車椅子使用者用駐車施設の利用対象者のあり方や適切な情報提供等による利用環境の配慮等が必要。
  • 以上を踏まえ、各ガイドラインに必要な内容を反映するとともに、多様なニーズを踏まえた適正利用のあり方について検討する。

2.車椅子使用者用駐車施設の適正利用の推進方策

[1]車椅子使用者用駐車施設の利用対象者

  • 車椅子使用者用駐車施設への利用集中が課題。
  • そのため、多様な障害当事者等の利用ニーズも確認しつつ、車椅子使用者用駐車施設の利用対象者の明確化、優先駐車区画の確保等による利用分散を推進すること等が必要。

[2]パーキング・パーミット制度のあり方

  • 適正利用に一定の効果がある一方、不適正利用や駐車区画の不足、利用集中等のさまざまな課題。
  • 今後は、地域の実状に応じた制度運用を前提としつつ、制度運用のあり方についての統一的考え方が求められる。

[3]駐車区画の確保等

  • 特に都市部を中心として駐車区画の不足が課題
  • したがって、ダブルスペース方式等の普及や多様な区画の確保に加え、施設設置管理者等が実施する効率的な駐車区画の利用の取組等について周知を図ることが必要。

[4]不適正利用対策等制度の実効性確保について

  • ハード・ソフトの不適正利用対策について、実効性や効果を踏まえつつ全国展開を図ることが必要。
  • 一方、罰則等の導入を検討するにあたっては課題が多く、不適正利用対策の効果も踏まえつつ、継続して議論を行う。

3.車椅子使用者用駐車施設のハードの整備方策

[1]車椅子使用者用駐車施設の基準

①車椅子使用者用駐車施設の基準
  • 設置数に係る基準については、適正利用の推進と併せて、ニーズや実態面等を踏まえた検討が必要。
  • そのため、基準等に基づく駐車区画の適切な整備を進めつつ、屋根や庇の設置、区画の表示方法、車後方からの乗降場所の確保等各ガイドラインの充実化や周知を図る。

[2]既存施設への対応

  • 敷地の制約等からハード面での対策が困難な場合があり、ソフト的対応を含めた取組の検討が必要
  • そのため、既存施設を改善・改修した事例や運用面での工夫により対応を可能とした事例の周知を図る。

[3]機械式立体駐車場における車椅子使用者への対応

  • 車椅子使用者が円滑に利用可能な環境が十分に確保されていないことが課題。
  • そのため、車椅子使用者対応駐車設備の利用上の留意点とともに、取組事例の収集に努め、周知を図る。

[4]コインパーキング等小規模駐車場への対応

  • 都市部の小規模駐車場の駐車区画不足が課題。
  • そのため、まちづくりと連携して駐車場施策を検討し、各地域で適切に車椅子使用者用駐車施設の確保がなされるよう、取組事例の収集に努め、周知を図る。  

詳しくは下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo09_hh_000332.html

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