令和5(2023)年6月9日、「開発協力大綱~自由で開かれた世界の持続可能な発展に向けた日本の貢献~」が閣議決定されました。
開発協力大綱は、1992年に閣議決定された政府開発援助大綱(ODA大綱)が、2015年に名称変更されたものです。歴史的転換期にある国際社会が複合的危機に直面していること等から有識者懇談会や各界との意見交換、パブコメを経て今回改訂されました。
改訂の主な点は次のようになっています。
[基本方針] ・新たな時代の「人間の安全保障」(一人ひとりの「保護」と「能力強化」に加え、様々な主体の「連帯」を追加) ・途上国との共創(自助努力支援⇒対話・協働による社会的価値の創出とその日本社会への還流(=共創)) ・開発協力の国際的ルールの普及・実践(包摂性、透明性と公正性といったルール等の普及と実践を主導) [重点政策] ・新しい時代の「質の高い成長」(途上国の喫緊の課題である気候変動・保健・人道危機等に加え、デジタルや食料・エネルギー等経済強靭化にもアドレス) ・法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化(自由で開かれたインド太平洋(FOIP)実現のための取組推進を明記) [実施面での進化] ・様々な主体との共創(民間企業、公的金融機関、他ドナー、国際機関、市民社会等との連帯を強化し、開発の効果を最大化) ・能動的協力による戦略性の強化(日本の強みを活かした協力メニューを積極的に提案するオファー型協力や人への投資) ・ODAの制度設計の更なる改善(キーワードは「柔軟・効率性」×「迅速性」) |
なお、障害者関連については、「開発協力の適正性確保のための実施原則」の1つとして「ジェンダー主流化を含むインクルーシブな社会の促進・公正性の確保」として、「開発協力のあらゆる段階においてジェンダー主流化を通じたジェンダー平等及び女性のエンパワーメントを推進する。同時に、こども、障害者、高齢者、少数民族・先住民族等の社会的に脆弱な立場に置かれている人々を含め、全ての人が開発に参画でき、恩恵を享受できる多様でインクルーシブな社会を促進すべく、公正性の確保に十分配慮した開発協力を行う。」という記述がありました。
詳しくは下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/taikou_202306.html