令和5(2023)年10月3日(火)~5日(木)と12日(木)、国土交通省は、視覚障害者誘導用ブロック等の設置方法及び構造に関する実験を実施しました。
令和4年6月に改定された「道路の移動等円滑化に関するガイドライン」において「『表面に凹凸の付いた誘導表示等』の設置の在り方」については継続検討することとされており、令和5年6月から「踏切道等における視覚障害者誘導対策ワーキング・グループ」を開催し議論されていますが、今回の取組は、その取り組みの1つです。
令和5年9月21日に国土技術政策総合研究所において評価実験(予備実験)を実施し、「踏切手前部の誘導方法」4パターンと「踏切内の誘導方法」5パターンを視覚障害者に通行体験してもらい、本実験の実験パターンを選出しました。本実験では、「踏切手前部の誘導方法」と「踏切内の誘導方法」の組み合わせによる実験パターンを、実際の踏切を模した条件により、視覚障害者及び車椅子使用者に通行体験してもらい、①認識性、②識別性、③直進性等について評価しました。また、実際の踏切を模した条件により斜めと直角に敷設し、視覚障害者及び車椅子使用者に通行体験してもらい、気づいたことや斜めの敷設に対する影響を確認しました。
誘導表示等のパターンは、踏切手前部1パターン×踏切内4パターンの4パターンで実施されました。
踏切手前は、標準的な線状ブロックと点状ブロック、点状ブロックと踏切内の誘導表示の間が隙間ある構造になっています。
また、踏切内は、①かまぼこ形の誘導物+台形の突起(線路側の端に設置)、②線状突起の誘導ライン+隙間+エスコートゾーンと同様の構造、③1/2サイズの線状ブロック(2本の線状突起)、④エスコートゾーンと同様の構造の4パターンとなっています。
実験結果の一部を紹介しますと、視覚障害者による順位付けは次のようになっています。(被験者数9名)
また、車椅子使用者の評価は次のようになっています。(被験者数3名)
パターン②:踏切内の誘導表示の上を通行すると、振動で足が落ちそうになる、体の負担になる、振動を抑えるためにゆっくり通行する等の指摘
パターン③は、2本の線状突起の間にタイヤが載ると、線状突起で車輪が取られる、脱輪するかもしれないという感覚がある等の指摘
結果等についての詳しい内容については、下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/working-group/index.html