北のポリオの会
今田雅子(いまだまさこ)
私は1歳半の時にポリオにかかり、現在60代後半です。両下肢に麻痺が残り、弱い方の右足の膝の上を押さえて歩いてきました。40代頃からステッキや車いすを使うようになり、だんだん使う場面が増えています。
以前は、使わないと動かなくなること(廃用)ばかり気にしていましたが、今は無理をして筋肉や神経を痛めてしまうこと(過用)とのバランスに気をつけています。足だけのポリオと思っていましたが、最近は手や腹筋や背筋など全身に影響を感じています。
中学生の頃お世話になった医師に「太ったら歩けなくなるよ」と言われていました。冬にコートの重いものを着て立ち上がれず、この言葉を思い出しました。体重も服も持ち物もなるべく軽くして動きやすいものを選ぶようにしています。コートはポリエステル等の中綿のもの、ズボンはゴムウエストのものが楽です。カバンは肩に斜めに掛けるものが両手があくので私には使いやすいです。立ち上がる時にカバンの重さがかからないように、立ってから肩にかけます。食器も買い替えの時には軽いものを購入し、普段使うものは取りやすい場所に置いています。
床に座っている状態から反動をつけて手の力で立っていた動作が難しくなりました。何かにつかまれば立てるけれど、肩がギシギシします。膝立ちから一旦低い位置に座ることは楽にでき、そこからは立ちやすいので、座面25センチ程度の低いいすにまず座りその手すりを支えにして立ちあがります(写真1)。
※掲載者注:写真の著作権等の関係で写真1はウェブには掲載しておりません。
私は自家用車に手動運転装置(アクセルとブレーキを左手のレバーで操作し右手でハンドルを回す)を付け、軽い手動車いすをトランクに積んでどこでも自分で出かけてきました。最近このトランクへの積み下ろしの時にバランスを崩しそうになることがあり、屋外で転ぶと立ち上がるのが難しくなっています。
後ろスライドドアの車で運転席に座って後部座席に車いすを積む(前輪を引っ掛けておいて車いすを回すようにして載せる)方法を知人に見せてもらいました。車いすの重さ全部を持ち上げるわけではないので、ドアの形は違うけれど参考になりました(写真2・3)。
※掲載者注:写真の著作権等の関係で写真2・3はウェブには掲載しておりません。
手動を漕ぐのが大変になったらなるべく軽い電動を探そうと思います。ドローンの技術が車いすにも使われ段差や雪道などをふんわり越えていければ、と技術の進歩に期待しています。周りの人に頼むこともあるけれど、できるだけ自力で自由に行動し続けたいと思っています。