リハ協アップデート

「新ノーマライゼーション」2025年2月号

「就労を支援すること」への期待

過日、当協会の戸山サンライズ主催で「就労支援スキルアップ研修会」が対面で開催されました。サービス管理責任者の指導者養成研修の一環で就労系の事業所に身を置く方々のための研修です。就労系とは、障害福祉サービスのうち、就労移行支援、就労継続支援(A,B)、就労定着支援をいいます。これらの違いを文字で説明するのはなかなか難しいのですが、一般企業等での雇用(一般就労)を前提にしているという点では共通しています。

障害者総合支援法1)以前は、福祉的就労2)か一般就労かという狭い考え方でしたが、継続的な観察による評価(アセスメント)を行うことによって職業適性を見極め、働き方に柔軟性を持たせる就労支援が今は重要視されています。

障害者権利条約には、「労働市場において障害者の雇用機会の増大を図り、及びその昇進を促進すること並びに職業を求め、これに就き、これを継続し、及びその職業に復帰する際の支援を促進すること」との記載もあり、就労している、職業に就いている、働いているといった状態は、人権が守られていることが具現化された姿の一つといえるのではないでしょうか。

事例検討、グループワーク、シンポジウムを織り込んだ研修に集まった約40名の受講生と5名のファシリテーターの方々からは、一人でも多くの障害者を就労させたいという熱い思いが伝わってきました。また、本年10月から「就労選択支援」という新たなサービスも加わります。厚労省専門官による説明の際には資料をめくる音が会場に響き、忙しくメモを取る姿なども垣間見えました。新サービスもきっとうまくいくと確信しました。(K)


1)障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律。

2)松井亮輔著:リハ協ブックレット(2)「福祉的就労」をめぐる国内外の動向―「社会支援雇用」実現をめざして―、日本障害者リハビリテーション協会、2024年 に詳しい。

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