リハ協アップデート

「新ノーマライゼーション」2025年3月号

第25回「リハ協カフェ」報告

コロナのまん延で人と非接触の時代となってしまうのではないかという危機感と、とりあえず発信し続けようという悲壮感。この双方の思いが力となり2か月に1回のペースで50か月、25回継続できました。今回は約70名の方々からアクセスをいただきました。ありがとうございました。

久野研二さんが代表理事を務める障害平等研修とは何か。ファシリテーターは障害当事者、しかも80時間、5か月におよぶ研修が必須。知識ではなく、現状・問題分析→原因分析→解決というプロセスを経て、自らが発見しないと行動変容は起こらない、そして人々の行動変容が社会変革につながる。私が変「わ」る→私が変「え」る。社会モデルは学ぶものではなく、その視点を獲得するものだとのこと。

―実は昨年12月に戸山サンライズの「心のバリアフリー研修」にて、「合理的配慮の行き届いた社会の実現に向けて」と題し、桜美林大学の谷内孝行准教授(弱視、全色盲)による障害平等研修を実施しました―

岩隈美穂さんはコミュニケーションを専門に京都大学大学院で教鞭をとられる障害当事者の方。学部生に「障害とは何か」の講座を始めたところ、学生が極度の緊張に陥ってしまった経験から、「障害」を他のテーマに混ぜて話したり、障害者と他のグループが関連しているとさりげなく話したりという「炊き込みご飯」スタイルの教授手法を実践することにしたそうです。というのも、日本では空気を読む(高コンテクストというそうです)ような直接的表現を避けるコミュケーションが大事だから。さらに、障害の困難性や個性への理解が進むと、障害者を身近に感じるあまり、障害者は助けなくてもよいという「支援感」の減少につながる可能性もあると調査結果からの指摘も。

久野さん、岩隈さんお二方のお話からSNSやYouTubeで自由闊達に発信するばかりの風潮に、少し立ち止まることも有りだな、と思った次第です。(K)

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