中核的人材養成研修でのトレーナーの経験を日頃の業務や地域づくりに生かす
「新ノーマライゼーション」2025年7月号
社会福祉法人しが夢翔会 大津市発達障害者支援センターかほん
小﨑大陽(こざきたいよう)
私が勤務するしが夢翔会は、主に滋賀県の大津市(大津福祉圏域)で支援を実施する社会福祉法人です。その中で、私の所属する「大津市発達障害者支援センターかほん」は、発達にかかる市の専門相談機能や、大津福祉圏域の発達障害者地域支援マネジャーなどを担っています。具体的には、大津市・滋賀県内で、1.大津市民の方への相談支援、2.福祉機関・教育機関・企業等へのコンサルテーション、3.地域の体制づくりや研修・啓発などを行っています。
大津市からは、中核的人材養成研修にかかる研究に関心を示した自治体等を対象に実施された令和5年度研修に、5人が参加させていただきました。全都道府県が対象となった昨年度は、私がトレーナーをお受けしました。
研修を通してまず感じたのは、トレーナーの立場でありつつ、一人の支援者・コンサルテーション実施者として私のほうが勉強させていただいたということでした。研修は「標準的な支援」を座学的理解だけでなく現場で実践できることを目指すものであり、そのための具体的な考え方やシートがさまざまに示されました。また、全国を単位として実施される現在は、各参加者が事業所で中核的な役割を担うだけでなく都道府県の推薦を受けて受講されるため、高いレベルの実践に多数触れることになりました。これらによって、自身も大まかには理解・実践している「標準的な支援」について、具体的な実践方法やアイデアをより幅広く深める機会となりました。
加えて、トレーナーがまとめる4人の受講者とサブ・トレーナーからなる合計6人のグループで、事例を取り上げながら毎回の研修が行われます。中核的人材は「標準的な支援」を事業所全体でチームとして実施する中心となるため、事例検討等ではその視点も含まれます。と同時に、この6人がチームとなり、互いに支援やチーム運営を考えあうことになります。高いレベルの支援者で実施するこのプロセスは、コンサルテーションやチーム運営をする自分自身も刺激を得られるものでした。
ところで、本研修は各事業所の中心となる中核的人材を養成するものでしたが、地域づくりにも役立ちました。
大津福祉圏域は、支援者同士が法人を越えて活発につながる文化があり、例えば障害者自立支援協議会では年間150回を超える部会協議等が実施されています。行動障害の分野についても、関連部会が毎月のように行われ、事例検討も頻回に実施します。そこには管理者だけでなく、現場の中心となる支援者や特別支援学校の担任の参加もあります。この事例検討におけるグループワークにおいて、各グループのファシリテーターを令和5年度に研修を受講した5人の中核的人材に務めてもらっています。これが、より良い事例検討、ひいては、圏域全体の支援の質向上の一助になったと考えています。
また昨年度私は、京都府と滋賀県からの参加者からなるグループのトレーナーをさせていただきました。滋賀県と京都府は隣同士の府県であるものの、参加者同士の話し合いの中で、支援体制だけでなく細かなアイデア、また、チームのつくり方や全体的な雰囲気等が異なることを共有していました。つまり、都道府県や地域をまたいだグループ構成が、自身の都道府県や地域をあらためて考えるきっかけになりました。今年度に入って、その京都と滋賀の中核的人材で情報交換会も実施し、研修後も学びあえる関係となっています。
さらに各トレーナーの方についても、大きくは「標準的な支援」を大切にしつつ、細かく具体的にはそれぞれの依拠する考え方や進め方の違いを感じました。それが自身の学びになるとともに、コンサルテーションに迷った際に相談させていただける関係づくりとなりました。