カウントダウン 東京2025デフリンピック-全国キャラバン活動で「共生社会の実現」の大会のレガシーを
「新ノーマライゼーション」2025年7月号
一般財団法人全日本ろうあ連盟全国キャラバン活動リーダー
嶋本恭規(しまもとやすのり)
今年6月に岩手県盛岡市で開催された「第73回全国ろうあ者大会inいわて」の大会式典では、東京2025デフリンピックのキャラバンカー出発式セレモニーが行われました。
セレモニーでは、全国のきこえない・きこえにくい仲間や手話関係者ら約3千人が見守る中、スポーツ庁や岩手県知事、手話を広める知事の会会長(鳥取県知事)、当連盟理事長等が出席し、テープカットが行われました。
全国キャラバン活動とは
当連盟は80年近くの歴史を持っていますが、全国キャラバン活動のようなことを行ったのは過去にただ1回しかありません。
1996年に『知事と語ろう全国ろうあ者キャラバン』と題し、当連盟加盟団体の仲間が各都道府県の知事に「聴覚障害者情報提供施設の建設」「手話通訳の制度化」等を訴え、きこえない人の情報保障や福祉向上のために取り組みました。
今回の全国キャラバン活動は、市民や子どもたちへ、きこえないことへの理解やデフスポーツの周知、そして手話言語の大切さや素晴らしさを全国各地へ広げることで共生社会の実現のために行います。
全国キャラバン活動の内容は「イベントキャラバン」「学校キャラバン」「キャラバンカー巡回」の3つに分けています。それぞれの活動内容を紹介します。
イベントキャラバン
全都道府県で、見る、知る、体験することができるイベントを開催し、デフリンピックやデフスポーツの魅力を伝えます。
当連盟はこれまでも同様のイベントを行ってきましたが、参加者はきこえない人や手話サークル、手話通訳者等と身内向けのイベントでした。今回は、多くの人々や子どもたちに目にしてもらうため、イオンモールやららぽーとのようなショッピングセンターでイベントを実施することにしました。現在、開催予定は50か所を超えるものとなっています。
学校キャラバン
当連盟運営委員会が策定した「未来へつながるプログラム」は、デフリンピックやデフスポーツ、きこえないことや手話言語等を学べる子ども向けのプログラムです。
昨年度、全国の小中学校でプログラムの実施を呼びかけた際、いくつかの学校から「やりたくても、講師謝金の予算がないのでできない」という相談が寄せられました。そのため、2025年度からは講師(デフアスリート等)派遣事業を行うことにしました。
全国小学校校長会や全国中学校校長会、全国の教育委員会に通知をしたところ、多くの学校から申請があり、講師派遣を行っています。
キャラバンカー巡回
東京2025デフリンピックの大会イメージカラーの桜色を基調としたキャラバンカーは2台あり、それぞれ北と南から大会開催都市の東京をめざして、日本全国を駆け回ります。
キャラバンカーには大会PRパネルやデフスポーツ応援漫画パネル、大会メダルレプリカを積み込んでいます。デフスポーツ応援パネルは集英社や講談社、小学館のご協力を得て、趣旨にご賛同いただいた漫画家からイラストの提供を受け、そのイラストとデフリンピック21競技を絡めて紹介しています。これらの展示物を活用し、大会開催前日の11月14日まで全国各地で展示やPRを行いながら、東京へ戻る予定です。
東京2025デフリンピックまであと3か月余り。全国キャラバン活動が共生社会の実現に少しでも寄与することができれば、それは大会のレガシーとなります。
ぜひ、皆様もどこかでキャラバンカーを目にした時は手を振って応援してあげてください!