幼児の集団指導-新しい療育の実践-
幼児集団指導研究会編
社会福祉法人 日本肢体不自由児協会
監修 五味重春・田口恒夫・松村康平
もくじ
- まえがき
- 第1部 子どもの発達の理解
- -医療と教育と福祉の接点-
- 第1章 子どもの発達についての理解
- -特に脳性マヒ児を中心に-
- はじめに
- 1 健常児の姿勢・運動発達と周囲のかかわりあい
- 2 脳性マヒの概念とそのとらえ方
- 3 脳性マヒ児の臨床症状と発達
- 1) 神経症状による病型分類
- 2) 病型分類と随伴障害
- 3) 成長発達による症状/の変化
- 4 脳性マヒ児の発達と二ーズ
- 1) 身体的評価
- 2) 精神的評価
- 3) てんかん、けいれん、早期発見
- 5 脳性マヒ児発達促進の課題
- 1) 乳児脳性マヒの発達課題
- 2) 幼児脳性マヒの発達課題
- 3) 幼児脳性マヒの日常生活動作
- まとめ
- 第2章 発達と療育
- はじめに
- 1 脳性マヒ
- 2 考え方の流れ
- 3 教育
- 4 保育
- 5 言語治療
- 第3章 発達と接在共存
- -関係学の立場から-
- はじめに
- 1 人間、その関係的存在
- 1) 接在共存関係状況
- 2) 関係的存在としての人間
- 3) 関係状況の担い方、かかわり方
- 4) 人間の諸要成:自己、人、物
- 5) 関係統合的存在としての自己の構造
- 2 人間の発達
- 1) 接在共存状況の志向的発展過程
- 2) 接在共存状況の顕在化の過程
- 3) 展開諸位相の変化過程
- 4) 発展的契機、起動点の成立
- 5) 起動点の移動、接在共存運動の展開
- 3 諸技法、実践活動
- 1) 実践研究の進め方
- 2) 研究法としての集団行為法ほか
- 3) 集団指導の展開
- 〔付〕
- 1 身体(肢体);身体論
- -心理劇的演出法によるアプローチ-
- 2 人間の発達;自己の構造化
- 3 接在共存、集団-そのとらえ方
- 第2部 集団指導の理論・技法・実践
- 第1章 集団指導の理論
- はじめに
- 1 集団指導の意義
- 2 集団指導の基本的な考え方-方法と特色
- 1) 集団状況における子どもの発達
- 2) 集団状況の発展の過程
- -接在共存状況の明確化・創造-
- 3) 指導者のかかわり方-チーム状況の展開
- 4) 集団指導のかたち(類型)
- 5) 役割、生活、関係指導の展開
- 6) 遊びと治療(訓練)の統合
- 7) 物の生かし方
- 8) 母親集団との関係
- 3 まとめと展望
- 第2章 集団指導の実際
- はじめに
- 1 療育体系における集団指導
- 1) 集団指導の導入
- 2) 集団指導における治療的意義
- 3) 保育と集団指導
- 2 集団指導の方法
- 1) 乳幼児の療育におけるチーム指導体制
- 2) 集団指導の内容構成
- 第3章 集団指導の技法
- はじめに
- 1 関係変化体験がもたらされる技法
- 2 関係交差領域成立の技法
- 第4章 運動発達と集団指導
- はじめに
- 1 運動発達指導の基本的考え方
- 1) 運動発達を子どもの発達における3つの側面からとらえる
- 2) 動作活動の変化、発展はかかわりの場においてもたらされる
- 3) 運動機能の実用化は役割行為の発展によってもたらされる
- 4) 発達を「関係的存在としての個」の存在の仕方の発展過程としてとらえる
- 2 運動発達指導の展開
- 1) 個別指導と集団指導
- 2) 治療訓練場面の3つの機能
- 3 運動発達指導の実践
- 1) 運動発達と遊具の役割
- 2) 「かかわり方」の発展を考慮した運動発達指導の実践
- 3) 「役割のとり方」の発展を考慮した運動発達指導の実践
- 〔付〕 日常生活における介助者の留意点
- 1) 姿勢について
- 2) 移動について
- 3) 手指動作について
- 4) 日常生活動作
- 第5章 言語発達と集団指導
- はじめに
- 1 集団指導における言語臨床の変遷
- 1) 先駆的活動
- 2) 訓練から遊びへ
- 3) 集団指導のメンバーへ
- 4) 集団指導における発達的アプローチへ
- 5) コミュニケーションの指導へ
- 2 集団指導における言語臨床の特色
- 1) 基本的立場について
- 2) 集団指導における立場
- 3) 言語の関係的側面について
- 4) 治療法の性質
- 5) 集団指導における集団について
- 3 言語発達指導の実践
- 1) 集団指導におけるコミュニケーション行動の発達とその指導
- 2) 集団指導における対人行為を促すかかわり方
- -問題解決場面において-
- 〔付〕 言語発達と集団指導
- 1) 言語のとらえ方
- 2) 言語発達の方向
- 第6章 保育と集団指導
- はじめに
- 1 集団指導における保育の役割
- 1) 保育課題の導入について
- 2) 保育の目標について
- 2 保育実践〈まめまき活動〉の展開
- 1) 実践のねらい
- 2) 実践の経過および分析
- 3) 実践の考察
- 第7章 母親集団活動
- はじめに
- -集団指導における母親集団活動の概略-
- 1 母親集団活動の発展
- 1) 母親の集団参加体験の構造化
- 2) 母親の意識内容の変化
- 3) 母親集団活動の実践成果
- 2 母親集団活動における個別的課題へのアフローチ
- -三者面談法について-
- 1) 三者面談法の原理
- 2) 三者面談法の実際
まえがき
幼児の療育の新しい実践をめざして、日本肢体不自由児協会主催の「療育・集団指導研修会」がはじめてもたれたのは1970年のことである。以来、毎年、北海道から沖縄までの金国各地にわたる療育施設から多くの参加者が集い、熱心な実践研究と交流が行われてきた。参加する人たちの専門とする職種も多岐にわたり、療育の場において、「集団活動」や「関係の発展」を基盤にして実践活動を展開していくことの重要性がつよく認識されてきている。
研修会では、療育の根源をなすべき理論について、医療の立場から五味重春講師、言語臨床の立場から田口恒夫講師、関係学の立場から松村康平講師の講演により、その枠組みを明確にしてきた。そして、幼児集団指導研究会のメンバーが集団指導の具体的内容をあきらかにする役割を担ってきた。
この本は、研修会のこれまでの成果をふまえて、講師と幼児集団指導研究会のメンバーが分担して執筆したものである。幼児の問題に関心をもつ幼児教育実践者に、また学生の人たちにもお役にたてばと願っている。
この本がこのような形で出版できたのは、中央療育相談所における集団指導の活動をともに発展させてきた多くの子どもたちとお母さんたち、そして、研修会に参加してくださった人たちの熱心なご協力によるものであり、ここに厚くお礼を申し上げる。
原稿の編集、整理に関して、中央療育相談所の森八恵子、荒井良子両氏のご尽力を得たこと、および、出版をひきうけられた日本肢体不自由児協会出版担当の方々にあわせて謝意をのべる。
1979年3月
報筆者 講師(代表) 松村康平
幼児集団指導研究会(代表) 武藤安子
執筆分担一覧(所属は昭和60年9月1目現在)
- 第1部 第1章 五味重春(東京都衛生局顧問)
- 第2章 田口恒夫(お茶の水女子大学教授)
- 第3章・〔付〕 松村康平(日本心理劇協会長)
- 第2部 第1章 吉川晴美(東京家政学院大学講師)
- 第2章・第3章 武藤安子(心身障害児総合医療療育センター通園科長)
- 第4章 佐野信子(心身障害児総合医療療育センター 機能訓練士)
- 大村道子(元東京都老人総合研究所作業療法士)
- 〔付〕 真田まり子(大宮市心身障害総合センター)
- 第5章 中田雅子(心身障害児総合医療療育センター言語指導係長)
- 〔付〕 高橋洋代(立教女学院短大教授)
- 第6章 小笠原範子(立教女学院短大 乳幼児保育研究会)
- 第7章 高見照代(元心身障害児総合医療療育センター医療社会事業員)
- イラスト 山脇百合子
主題・副題:幼児の集団指導-新しい療育の実践- 1頁~2頁
著者名:五味重春・田口恒夫・松村康平 監修・著 武藤安子・吉川晴美 著
掲載雑誌名:
発行者・出版社:社会福祉法人 日本肢体不自由児協会
巻数・頁数:1頁~214頁
発行月日:西暦 1979年 3月 第1刷
登録する文献の種類:(5)書籍
情報の分野:(1)社会福祉、(4)教育学、(9)心理学
キーワード:
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