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ディスレクシア(Dyslexia)

解説

ディスレクシアは、知的な遅れはないが、読んだり書いたりすることが苦手な人たちのことをいい、「文字とその文字が表す音とが一致・対応し難く、勝手読みや飛ばし読みが多い」、「音読作業と意味理解作業が同時にできないため読み書きに時間がかかる」、「読みが出来ないと文字を書くことはより困難になる」などの特性がある。特性は個々人で異なるが、早期から自分に合った教育支援を受け、学習方法を見出すことができれば、自尊心を失うこともなく、その才能を伸ばしていくことができるかもしれない。そのような人たちの読みを補助し、読みやすい学習教材を作成するために、DAISY等の情報技術が有効なことも多い。

英国、スウェーデン、デンマークではディスレクシアとして学校や図書館で支援を受けている。米国、日本では、ディスレクシアは学習障害(Learning Disabilities:LD)に包含されていて、米国ではディスレクシアとLDはほぼ同義で使われている。日本では「読み書き困難」、「読み書きのLD」ともいわれている。

英語圏ではディスレクシアの発現率は10%から20%といわれているが、日本ではディスレクシア単独の調査がない。

日本のディスレクシアの割合は、「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒の全国実態調査」(平成15年3月)の「知的発達に遅れはないものの学習面で著しい困難を示すと担任教師が回答した児童生徒の割合」(LDの割合)の4.5%に近いといわれている。

日本障害者リハビリテーション協会では、DAISYは学習障害、知的障害、精神障害の方にとっても有効であるという視点からマルチメディアDAISY図書製作普及事業に関わってきた。その関係で、ディスレクシアの人に対して録音図書のサービスやDAISYの活用を進めてきた米国、スウェーデン、デンマーク等のサービスから学ぶべく、講演会を複数回開催している。

以降、次のような事業を行い、DAISYおよびDAISY版教科書の普及に努めている。

平成19年度、20年度:
「DAISYを中心としたディスレクシアキャンペーン事業」

平成21年度:
「読みの困難な児童・生徒に向けたDAISYによる支援研究事業」

平成22年度:
「読みの障害児・者に向けたDAISY版教科書支援研究事業」
「発達障害等に対応した教材等の在り方に関する調査研究事業」

平成23年度:
「デイジーによる読みの困難な人への支援事業」

平成24年度:
「デイジーによる学習と社会参加支援事業」
文部科学省委託「民間組織・支援技術を活用した特別支援教育研究事業」